2014年客演演奏者

第161回定期演奏会2014年12月20日(土)

木村能里子(ソプラノ)


みなさまこんにちは。真摯に音楽と向き合う門良一さんの指揮のもと、日本でのデビュー以来長きにわたってお世話になっております「モツ菅」のみなさまとまたご一緒させていただけることになりました。

プロとしての演奏歴も30年を超えるようになりましたが、新人であった私を引き立て、様々な演奏会で歌わせて下さったモーツアルト室内管弦楽団は、音楽家としての私の財産だと思います。

12月20日の第161回定期演奏会では、ハイドン晩年の短調のミサ曲、ネルソンミサのソプラノソロを歌わせていただきます。

特に今回の演奏会で聴衆のみなさまにぜひ聞いてほしいところをあげますと、モーツァルトのピアノ協奏曲そして珠玉の合唱曲と彼が敬愛の念を抱いていたハイドンのミサ曲というコンビネーションです。このプログラムではウィーン古典派をたっぷりと堪能できるのではないでしょうか。

明るい曲調が多いハイドンの作品の中にあって一抹の悲壮感さえ漂うこの曲を、とかく「第九」一辺倒になりがちなこの時期に演奏できることは、来年に向けてまた新たに音楽に取り組んで行け、という音楽の神様の声なのかもしれないと心引き締まる思いを抱いております。

演奏会が目の前に迫ってまいりました。ぜひ皆様といずみホールでお会いできることを楽しみにしております。


 第161回定期演奏会2014年12月20日(土)

山田愛子(メゾソプラノ)


みなさんこんにちは。12月の定期演奏会の≪ネルソン・ミサ≫に声楽で参加させていただく山田愛子です。

プロとして10年目を迎えました。モーツァルト室内管弦楽団との協演は2006年が最初で、私が大学院を修了した翌年、演目はモーツァルト「レクイエム」でした。以来、モーツァルトの「レクイエム」を2度、「フィガロの結婚」そしてヴィヴァルディの「グロリア」と何度かご一緒させていただいていますが、ハイドンの協演は初めてです。

ハイドン≪ネルソン・ミサ≫は、合唱で歌ったことがあり、美しいメロディーの中にも躍動感があり大好きな曲です。今回はアルトソロを歌わせていただく機会をいただきとても嬉しく、楽しみにしております。

私のこれまでの演奏生活の中でも、モーツァルト室内管弦楽団とはたびたび協演させていただき、その経験は大きな財産です。いつも素晴らしいオーケストラで歌わせていただき感謝しています。

この演奏が一番うまく出来た!という実感はなく、いつも課題と向き合っているというのが実感です。でも、本番の舞台では、ただそこにある音楽の中に生きていられるようにと思って演奏しています。

今後はオペラも勉強したいですが、バロック音楽にもチャレンジしてみたいと思っています。バッハやヘンデルの音楽を聴くと、何とも言えないワクワクした気持ちになり、大好きです。古い作品をもっと歌っていきたいですね。12月20日にみなさんとお会いできるのを楽しみにしています。ぜひ、いずみホールへお越しください。


経歴

神戸女学院大学大学院音楽研究科修了。関西二期会会員。神戸市混声合唱団団員。

第12回松方ホール音楽賞受賞、平成25年度坂井時忠音楽賞受賞、第79回、第83回日本音楽コンクール入選。


 第161回定期演奏会2014年12月20日(土)岡田佳子(ピアノ)


モーツァルト室内管弦楽団のファンのみなさん、こんにちは。

12月の定期演奏会でピアノ協奏曲第20番ニ短調を協演させていただく岡田です。

この楽団とはもう10年以上前になりますが、ピアノ協奏曲25番と27番を一緒に演奏させていただきました。

モーツアルト室内管弦楽団については、主宰者の門さんのプログラミングにいつも感心させていただいています。すばらしいです。つねに研究なさっておられますので、協演させていただくのはとても勉強になります。

個人的には、ジュピターの2楽章が最も好きな楽曲です。聴いていると心がシーンとなり、心に刺さっている棘がするりと溶けていくのが実感できます。

今回は、10年間演奏から遠ざかっておりましたので、久しぶりの演奏となりますが、不安な気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいです。いずみホールにお越しいただく皆様には、ぜひとも「驚異の音楽家、モーツアルトもまた、不安で、深刻な人生を送っていた、しかし、ドラマは喜劇に変えることもできる」というところを感じていただきたいと願っています。

新しいチャレンジとして、ピアノを弾けなかった期間に、ウイーンでモーツァルト演奏法の研究を始めました。実際にこれらの成果を元にして演奏を続けていきたいと思っています。

実は、これまでで一番うまく弾けた!という実感があったのは演奏20周年記念のリサイタルでした。場所はいずみホールで、12月20日(2003年)だったのは偶然でしょうか。

今回はぜひともその演奏を超えたいと思います。いずみホールでお会いできることを楽しみにしています。


経歴

15歳で渡仏。パリ・エコールノルマル音楽院を経て、ロンドンでマリア・クルチョ、スイスでニキタ・マガロフ、バルセロナでアリシア・デ・ラローチャの諸氏に師事。演奏歴はアメリカ、フランス、ベルギー、デンマークなどを主に活動。


 第161回定期演奏会2014年12月20日(土)

西垣俊朗(テノール)


 プロとしての歌唱歴は40年になります。過去に3回モーツァルト室内管弦楽団と協演していますが、今回の《ネルソン・ミサ》ニ長調はハイドンのミサ曲の中でも最も美しい曲だと思います。私自身のメジャーデビュー第一号の曲目でもあり、大変楽しみにしています。

 初めての協演だった2009年の演目ハイドンの《四季》で、私はルーカス役を受け持ちとても満足のいく演奏ができたと自負していますが、今回はそれに比べてももっと進化している楽団との演奏をぜひお聴きください。

 共演するたびに、歌仲間からは「モーツァルト室内管弦楽団と歌とのコラボレーションは素晴らしい。さすが!」と口をそろえて評価してもらっています。歌の好きなモーツァルトを演奏するにあたっての主宰者の門さんのモーツァルトの音楽に対する深い愛情と熱意の賜物なのだと思います。

 曲の中の重要な役どころであるエヴァンゲリスト(福音史家)を長年歌わせていただいてきたので、好きな楽曲はバッハの《マタイ受難曲》です。スケールの大きさから上演は難しいかもしれませんが、今後のチャレンジとしてモーツァルト室内管弦楽団といっしょに《マタイ受難曲》や《ヨハネ受難曲》をぜひ演奏させていただきたいと願っています。

 12月20日はいずみホールで皆様とお会いできることを願っています。


<略歴>

大阪音楽大学大学院修了(オペラ)。関西二期会理事。

第159回定期演奏会 2014年7月5日(土)石井理子(ハープ)

  みなさま、こんにちは。7月5日の定期サロンコンサートにソリストとして参加、演奏させていただく石井です。いつもはオーケストラの一員として参加しています。この楽団は暖かい雰囲気が特長で、主催者の門さんの本番トークも楽しく興味深いです。演奏とあわせてお楽しみいただければと思います。

 今回の演奏会では、ぜひみなさまにハープの特性を効果的に取り入れた美しいパッセージの数々をお聴きいただきたいと思っています。とくに、今回のような編成の隠れた名曲を発掘して聴いていただくことをこれからのチャレンジと考えていたので、願ったりかなったりです。

 ハープはまだまだマイナーな楽器だと思うので、「意外に○○」とか「△△な音も出せる」といったふうにそれぞれの方がご自分の○○や△△の発見をしていただければと思っています。

 ハープ奏者になったきっかけは、小学生の時に行った演奏会で初めてソロの演奏を聴いて感動したことからです。自分が演奏する立場になって、今度は聴いていただくみなさまの心に響き、新たな発見をしていただけるような演奏を目指し、試行錯誤している日々です。

 好きな楽曲はたくさんありますが、この演奏会のプログラムもそれぞれ魅力ある素晴らしい曲ばかりです。7人の力を結集したハーモニーで、フランスのエスプリをお届けしようと取り組んでいます。みなさま、ぜひ応援に来てください。お目にかかれることを楽しみにしております。

 

<略歴>

相愛高校音楽科を経て、大阪音楽大学音楽学部器楽学科ハープ専攻卒業。

現在は、オーケストラ・室内楽などで演奏活動を行う傍ら、国際楽器社で講師を務める。

田渕順子・海川佳代子の両氏に師事。日本ハープ協会会員。

 

第158回定期演奏会 2014年5月31日(土) ギオルギ・バブアゼ(ヴァイオリン)

 5月31日の定期演奏会でベートーヴェンの「ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲ハ長調 Op.56」のヴァイオリンパートのソリスト、ギオルギ・バブアゼです。

母がヴァイオリン大好きなお嬢様だったこともあり、7歳から習っていました。

モーツァルト室内管弦楽団とは初めての協演です。だから本当に嬉しく、楽団の皆さんに感謝しています。それに当日演奏するベートーヴェンの三重協奏曲は演奏家の私にとっても本当に楽しみですが、お客様にもぜひこの素晴らしい音楽を楽しんでほしいと願っています。とても素晴らしい楽曲です。  

大好きな楽曲はたくさんあり、尊敬する作曲家も大勢いますが、やはり音楽の内容の深さにとても惹かれますね。たとえば、バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーなどは大好きです。

尊敬する音楽家も大勢います、たとえば、フリッツ・クライスラー、ダヴィッド・オイストラフ、ヤッシャ・ハイフェッツと、いずれもヴァイオリニストですが、共通して言えるのは、表現力でしょうか。本当に素晴らしいものを感じます。

自分自身、今まででよく弾けたと記憶しているのは、何回かのリサイタルでのクライスラーの小品、ベートーヴェンのソナタ、そしてモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番ですね。自分でもよかったと思います。今回のモーツァルト室内管弦楽団との協演でも記憶に残る演奏にしたいと思っています。

今後チャレンジしていきたいことはたくさんあります。もうすぐ、ブラームスとベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を弾く予定です、頑張って弾きたいと思っています。応援よろしくお願いします。

5月31日はモーツァルト室内管弦楽団との初めての協演ですから、いまから本当にわくわくしています。ぜひ皆さまふるっていずみホールにお越しください。お待ちしています。

 

<略歴>

1962年グルジア共和国トビリシ生まれ。トビリシ国立音楽院にてシウカシュヴィリ教授にヴァイオリンを、オディセイ・ディミトリアディー氏に指揮を学ぶ。モスクワにてボロディン弦楽四重奏団のベルリンスキー氏に師事。

1986年より5年間バトゥーミ市交響楽団の指揮を務める。

1990年よりグルジア音楽協会室内管弦楽団の芸術監督および首席指揮者を務め、フランス、ドイツヘ演奏旅行。その他、国内外におけるオーケストラのヴァイオリン奏者としてイタリア諸都市で演奏する傍ら、グルジア弦楽四重奏団のメンバーとしても活躍。

1996年より大阪シンフォニカー交響楽団のコンサートマスター、2001 年10月より関西フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに就任。

2002年4月より京都市立芸術大学ヴァイオリン専攻非常勤講師も務める。

トビリシ弦楽四重奏団メンバー。2005年より、関西シティフィルハーモニー交響楽団常任指揮者就任。

 

第158回定期演奏会 2014年5月31日(土) 三木康子(ピアノ)

 5月31日の定期演奏会でベートーヴェンの「ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 ハ長調 Op.56」のピアノパートのソリスト、三木康子です。

ベートーヴェンのトリプルコンチェルトは以前から知っておりましたが、演奏機会が少なくまさか自分が弾く機会に恵まれるとは思っていませんでしたので、このようなチャンスをいただき大変光栄に思っています。また、素晴らしいヴァイオリンとチェロのソリストの方々やモーツァルト室内管弦楽団との協演に今からわくわくしています。今回の演奏会では、ベートーヴェンの中期の作風である充実した明るく活気溢れるところ、ソリスト3人の掛け合い、オーケストラとの響きの融合など、楽曲の魅力をあますことなくお聴きいただきたいと願っています。

モーツァルト室内管弦楽団とは初めての協演ですが、これまで何度か拝聴しており、主宰者の門良一様の繊細で温かくオーケストラを包み込まれる指揮とそれにこたえる楽団メンバーの演奏にいつも感動しています。

プロのピアニストとしての演奏歴は19年ほどになります。この楽器を選んだのは、母がピアノの教師だったこともあり、幼いころから親しんでいたことによります。ピアノを選んでよかったのは、ソロ、アンサンブル、伴奏、協奏曲のソリスト等、幅広いジャンルにわたって活動できることです。

好きな楽曲はやはり、ラヴェルのピアノ曲になりますね。傑作の「鏡」「夜のギャスパール」「クープランの墓」です。また、ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」「左手のためのピアノ協奏曲」も好きです。この2つの魅力は緻密なオーケストレーションと大胆な音楽的発想、明快なメロディだと思います。また、楽しさや感動を、演奏する者、聴く者がともに分かち合えるのもいいですね。いっぽうでベートーヴェンの「ピアノ協奏曲1番~5番」には人間的な深みと喜びが感じられ、そのスケールの大きさに感動しています。

尊敬する音楽家は、女流ピアニストのマルタ・アルゲリッチです。自由奔放でありながら女性的な優しさに満ち溢れているところに魅かれますが、演奏においては基礎がしっかりしていて意外に古典的なんですよね。他楽器では、美しい音色と温かさで魅力的なイツァーク・パールマン、情熱溢れるチョン・キョンファです。

これまで納得できた演奏はいくつかありますが、なかでも記憶に残っているのはブラームス作曲「ピアノ五重奏曲」を弾いた時です。曲を立体的に捉え、躍動的なリズムと推進力で構築性のあるものにできたこと、そして各パートの個性とフレーズ、ハーモニーのバランス等、尊重と調和の表現を心掛けることができたことです。

しかし、過去に満足することなく挑戦したいことがいくつかあります。一つ目は、私のライフワークである「時空を超え未来に響く音を求めて」をテーマにしたピアノリサイタルを続けること。今までに、2年に1回の間隔で4回開催していますが、バロックから古典、近・現代、邦人作品を含めた広がりで考えています。二つ目はラヴェルのピアノ協奏曲を含むピアノ全曲演奏。そして三つ目が、ベートーヴェンのピアノ協奏曲の全曲演奏です。欲張りなようですが、やりたいことがたくさんあって幸せです。

皆さま、5月31日にお会いできることを楽しみにしております。

 

<略歴>

奈良県出身。天理市生まれ。奈良市在住。

3才より母の手ほどきでピアノを始める。9才より小柳芳子氏に師事。10才で初めてのリサイタルを行う。13才より安川加壽子、秦 はるひの両氏に師事。天理中学校から東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業。その後、フランスに留学。文化庁派遣芸術家在外研修員として研鑽を積む。パリ・エコール・ノルマル音楽院にてGermaine .Mounier教授に、パリ・スコラ・カントルム音楽院にてEugen Indjic教授に師事する。パリ・エコール・ノルマル音楽院ピアノ科ディプロマ、パリ・スコラ・カントルム音楽院コンサーティスト科 Diplome de Concert取得。帰国後、ピアノ教本の研究のため神戸大学大学院博士後期課程研究生満了。

全日本学生音楽コンクール、日本クラシック音楽コンクール、日演連推薦新人演奏会等入賞。ソフィア国際ピアノコンクール特別賞、ショパン・エチュード賞、ブレスト国際ピアノコンクールラヴェル部門第1位。なにわ芸術祭賞受賞。

アメリカ、ドイツ、フランス、オーストリア、スペイン、イタリア、ブルガリア、スロバキア、中国及び日本各地でリサイタルやオーケストラとの協演やコンサートも数多く、ステージ、テレビ等に出演。関西フィルハーモニー管弦楽団、奈良フィルハーモニー管弦楽団、奈良交響楽団、天理シティオーケストラ等とモーツァルトK.488、ベートーヴェンNo.1、No.5「皇帝」、ショパンNo.2、リストNo.1、ラヴェルG-Dur、チャイコフスキーNo.1等を協演。室内楽ではベルリンフィル、ウィーンフィルメンバーとの共演も高く評価されている。

ライフワークである「時空を超え未来に響く音を求めて」のテーマのピアノリサイタルは 、バロック・古典・ロマン・近現代・邦人の重要な作品を取り上げて、美しい音と共に時空を超え人間の心に響き、聴衆と共に感動をもたらす演奏を真摯に継続している。

安川加壽子、秦 はるひ、小柳芳子、Germaine Mounier、Eugen Indjic、Henri Bardaの各氏に師事。

大阪教育大学、大阪芸術大学、関西学院大学、大阪樟蔭女子大学各講師。

ピアノコンクール審査員。

(公社)日本演奏連盟、(公財)日本ピアノ教育連盟、日本音楽教育学会、日本音楽表現学会、関西楽理研究会、東京藝術大学音楽学部同声会大阪・奈良支部、奈県音楽芸術協会各会員。

 

第158回定期演奏会 2014年5月31日(土)  林 裕(チェロ)

5月31日の定期演奏会でベートーヴェンの「ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 ハ長調 Op.56」のチェロパートのソリスト、林裕です。プロとしての演奏歴は24年になりますが、愛用のチェロはリナルディ(トリノ1896)です。 この楽器を選んだ理由は、チェリストである父のすすめもありますが、音色が明るく伸びやかさがあるところが気に入っています。

モーツァルト室内管弦楽団との協演は初めてですが、若いソリストの育成にも貢献されており、とても良いオーケストラだと思います。演目の「ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲 ハ長調 Op.56」は、当初ベートーヴェンがチェロコンチェルトを書きたいと、当時のスーパーチェリストのベルンハルト・ロンベルクに相談した時に、「自分が作った協奏曲の方が良いから書いていただく必要がありません」と言われてしまったそうです。そのことに発奮したためか、このトリプルコンチェルトのチェロパートにはベートーヴェンのチェロへの熱い気持ちが込められていていると思います。その熱さにこたえる意味でも、今回の演奏ではソロ楽器としてのチェロの魅力を出し切りたい。特に、チェロの持つ伸びやかさや、歌心をぜひ満喫してください。

好きな楽曲はなんと言ってもドヴォルザークのチェロコンチェルトです。この曲に憧れてチェリストになる!と決意をしたくらいですから。尊敬する音楽家では、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチとヤーノシュ・シュタケルの2人です。前者はチェロの音色や、充実感、正確な技術力が、そして後者はダーヴィト・ポッパーの孫弟子にあたるチェリストで、独自のスタイルでポッパーの作品を世の中に存在させたことが理由です。

【チェリスト=コンポーザー・コレクション】と題してチェロ奏者の作品演奏集をライフワークにしています。チェロという楽器を知り尽くした上での作品は、素直で歌心に溢れ、技術的にも華やかさもあり、とても聴きやすい音楽です。集めた曲は300曲にのぼり、一生をかけて取り上げていきたいと思います。この取組に対して文化庁芸術祭優秀賞をいただきました。68年の歴史でチェリストの受賞者はおられず、チェリスト達が作品を遺してくれたお陰でこの企画ができています。良いと思っていただけないなら名曲を演奏していればいいわけで、気合いも入れていますが、これまでで一番うまく出来たという実感があったのは、【チェリスト=コンポーザー・コレクション】での自主リサイタルにおいてピアニストのボリス・ベクテレフ氏と共演した時の演奏です。長い時間をかけて二人で練り込み、古き良きロシアの精神性も学べたことが印象に残っています。

5月31日に皆様にお目にかかることを願っております。ぜひお越しください。

 

東京芸術大学を卒業。日本音楽コンクール第一位、黒柳賞を受賞。アフィニス文化財団、ローム音楽財団の奨学生として、フライブルク音楽大学院を首席修了。

青山音楽賞、松方ホール音楽賞大賞、兵庫県芸術奨励賞、名古屋市民芸術祭審査員特別賞、神戸市文化奨励賞、神戸灘ライオンズクラブ音楽賞などを受賞。

「Cellist=Composer・Collection」に対して、名古屋音楽ペンクラブ賞、大阪文化祭賞グランプリ、音楽クリティッククラブ賞本賞、文化庁芸術祭新人賞、文化庁芸術祭優秀賞を受賞。

ソリストとしての起用も多く朝比奈 隆氏との共演は絶賛を博した。また兵庫県芸術文化センターシリーズの年間支持率No.1になった。CD「SOLO ist」にシュタルケルが賛辞を寄せた他、レコード芸術の特選盤になった。

元大フィル首席奏者。いずみシンフォニエッタ大阪のメンバー。

相愛大学准教授、神戸女学院大学非常勤講師。2012年泉の森コンクール審査員。2013年ポッパーチェロコンクールを開催し審査員長をつとめる。

2014年1月19日 池田洋子(ピアニスト)

2014年のニューイヤー・モーツァルト・コンサートで協演させていただきます。1994年にピアノ協奏曲K.488番の演奏以来、20年間に9回もこの楽団と協演させていただいてきました。楽曲もモーツアルト中心にサン=サーンス、ベートーヴェン、メンデルスゾーンと多岐にわたり、ずいぶん思い出深いものがあります。今回は「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」の演奏ですが、当日会場にいらしてくださった方々が気分よくモーツァルトの音楽の世界にひたっていただけるような演奏をしたいと願っています。

好きな楽曲は?と聞かれることがありますが、「今勉強している曲、次に演奏する曲が一番好き」です。というのは、新しい曲はもちろん以前に演奏した曲でも、改めて勉強し始めると、次々と新しく弾きたいインスピレーションが浮かんできてとても楽しくなるからです。過去に演奏したテンポやニュアンスは関係なく、今どのような音を表現したいのかを色々工夫するのが素敵でもあり、楽しくもあります。今回の演奏曲目もとても楽しく準備をしているところです。

ピアニストとして改めて楽器・ピアノの魅力をあげると、他の楽器の協力なしですべての音楽表現が自由にできるというところにあると思います。その魅力を生かしつつするオーケストラとの共演による音楽の広がりや、リサイタルでピアノだけで追究する音の世界等、私自身ずいぶんと楽しませてもらっています。それとともに、私のピアノを聞いてくださる方々が少しでも幸せと慰めを感じていただけるような世界を作っていきたい。それがこれからのチャレンジです。

 

池田洋子・モーツァルト室内管弦楽団 協演記録

62回定期演奏会

 199436日 いずみホール

 モーツァルト ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488

定期サロンコンサート〈クライネ・モーツァルト〉第54回例会

 19951114/17日 大阪倶楽部4Fホール

 モーツァルト ピアノと木管楽器のための五重奏曲 変ホ長調 K.452

84回定期演奏会〈フランス音楽特集〉

 1998327日 いずみホール

サン=サーンス 組曲《動物の謝肉祭》

103回定期演奏会

 2002617日 いずみホール

 ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 

106回定期演奏会

 2003531日 いずみホール

 モーツァルト 2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365

119回定期演奏会

 2006123日 いずみホール

モーツァルト ピアノ協奏曲 第26番 ニ長調 K.537《戴冠式》

130回定期演奏会

 200975日 いずみホール

 メンデルスゾーン ピアノ協奏曲 第1番 ト短調 Op.25

演奏活動50周年記念 池田洋子ピアノリサイタル

 2010103日  いずみホール

 ショパン ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調

150回定期演奏会

 2012122日 いずみホール

モーツァルト ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K.491

 

<略歴>

7回学生音楽コンクール高校の部全国第1位文部大臣賞受賞。東くめ・照子・貞一、井口愛子の各氏に師事。東京芸術大学在学中に渡仏。パリ・エコール・ノルマル音楽院最高クラスに転入学。ジュル・ジャンティ及びアルフレッド・コルトー氏に師事。日本人として最初のリサンス・ド・コンセール(演奏家資格)を得て卒業。1959年マリア・カナルス国際コンクール第2(1位なし)1962年ヴィオッティ国際コンクール金賞などに入賞。パリをはじめ、国内外でのリサイタルは勿論、大阪フィルハーモニー、京都市交響楽団の定期演奏会をはじめ、東京交響楽団、日本フィル、関西フィル、モーツァルト室内管弦楽団など日本の主要オーケストラと数多く共演の他、NHK放送などで活躍。また、ミッシェル・デポスト、レイヌ・フラショーなど内外著名演奏家との室内楽活動も目覚ましい。1990年ザ・シンフォニーホールにて演奏家歴30周年記念リサイタルを開催して以来、5年毎に記念リサイタルを開き、2010年いずみホールにて演奏歴50周年記念リサイタルを開催し、いずれも好評を博す。現在、大阪音楽大学客員教授として後進の指導を続けている。一方1996年以来、ニューヨークで開催されるサミット・ミュージック・フェスティバルや、パリ近郊のムーラン・ダンデで開催されるマスタークラスに招かれ、演奏と指導を行なっている。また、ボルト国際コンクールをはじめ、国内外のコンクールの審査員も務めている。川西市在住で、(公財)川西市文化・スポーツ振興財団理事、川西市音楽家協会副会長として積極的に地域の文化振興にも尽力している。平成17年度兵庫県文化賞受賞の他、兵庫県生活振興功労賞、川西市民文化賞も受賞している。神戸女学院大学名誉教授、ショパン協会関西支部長。